【作例】Viltrox 35mm F1.8で工場夜景リベンジ。ニコンZ6で描く「大竹」の光。

現在の住まいから、およそ片道1時間半。
広島市内から国道2号線を西へ。軽貨物の仕事で走り慣れた道だが、助手席にカメラバッグを乗せている時は、少しだけ空気が違って感じる。

目的は、以前撮影して「反省点」しかなかった大竹市の工場夜景リベンジだ。

過去の失敗:画角を横切る「電線」の罠

前回、この場所を訪れた時はNikon D7100に18-55mmの純正キットレンズという組み合わせだった。

当時は必死だったが、後で見返すと強い光源からのゴーストは出まくり、画角の上部には無慈悲な電線が入り込み……。 正直、人様に見せられるレベルではなかった。

「機材のせいにしたくない」と思いつつも、夜景におけるレンズの耐逆光性能や解像力の差は、残酷なまでに結果に直結する。

今回の装備:なぜ「35mm」を選んだのか

今回のリベンジ装備はこれだ。

  • Body: Nikon Z6
  • Lens: Viltrox 35mm F1.8

Viltroxには20mmや50mmの選択肢もある。広大な工場を撮るなら20mmが定番だが、あえて35mmを選んだのには理由がある。

20mmだと余計な空が入りすぎ、50mmだとプラントの一部しか切り取れない。
この場所の迫力を「肉眼で見た時の感動」に近い温度感で切り取るには、35mmがベストだと判断した。

実写:お値段以上の写りと、少しの苦笑い

深夜、静まり返った現場に三脚を据える。
かつて僕を悩ませた「頭上の電線」を、35mmの画角で慎重に排除し、レリーズを切った一枚がこれだ。

工場夜景ダイセル

Viltrox 35mm F1.8、控えめに言っても「お値段以上」の仕事をしてくれた。

  • 耐逆光性能: 画面内に強い光源が複数あるが、不快なゴーストは最小限だ。
  • 光条(ウニ)の美しさ: 絞り込むことで、街灯の光が綺麗な放射状に伸びた。
  • フルサイズの階調: Z6のセンサーと単焦点の組み合わせは、暗部の粘りが素晴らしい。

ただ、正直に言うとこのレンズ、周辺部にはそれなりの「歪み」が出る。 しかし、そんなのは今の時代、大きな問題ではない。

現像:Lightroomの補正と「リアルなHDR」

歪みに関しては、Lightroomのレンズプロファイル補正を適用した。
これを当てるだけで、不自然な曲がりはスッと消え、バキッとした直線の世界が戻ってくる。

また、今回は露出を変えた3枚を撮影し、LightroomでHDR合成を行っている。
本格的なHDRソフトで加工するのも手だが、僕はもう少し「鉄の冷たさ」が伝わる質感が欲しかった。Lightroomでの合成は派手さこそないが、工場夜景の「息遣い」を残すにはちょうど良い。

……あ、等倍で見るとほんの少しピントが甘い気がするのは、レンズのせいではなく僕の「老眼」のせいだと思って笑ってほしい(笑)。

現場での一期一会

撮影をしていると、一台の車が静かにやってきた。
赤色のアルファロメオ。そこから降りてきた男性も、僕と同じようにカメラを手にしていた。

「いい夜ですね」
そんな短い世間話を少しだけ交わす。

同じ光に魅せられた者同士の、静かな時間。
僕は十分にシャッターを切った満足感とともに、「お先に」と挨拶をして現場を後にした。

これからここへ行く人への「1mmの助言」

このポイントは、深夜は大型トラックも通らず静かだが、「立入禁止箇所」も存在する。
撮影に夢中になるあまり、マナーを逸脱してはいけない。良い写真は、正しいルールの上でこそ輝くものだ。

また、海沿いの夜は想像以上に冷える。
自分用の温かいコーヒーも、リベンジ成功には欠かせない装備だ。

結論:リベンジは「半分成功」、そして次へ

電線を避け、機材を更新し、現像で追い込む。
今回のリベンジは「半分成功」といったところだろうか。

残りの半分は、もっとピントをバキバキに合わせる僕の「慣れ」に残しておこう。

ニコンZユーザーで、純正Sラインの価格に震えている方。Viltrox、案外いい仕事をしてくれるぞ。

僕の挑戦は、まだ続く。

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